AGA(男性型脱毛症)治療を開始して2年という期間は、治療効果の評価や今後の治療計画を考える上で一つの重要な節目と言えます。この2年間でどのような変化が現れ、それを踏まえて今後どのように治療を進めていくべきか、医師としっかりと話し合うことが大切です。まず、2年間の治療で得られた変化を具体的に振り返りましょう。最も期待される変化は、抜け毛の減少と発毛です。治療開始前に比べて、シャンプー時の抜け毛や枕元の抜け毛がどの程度減ったか。生え際や頭頂部の地肌の透け感がどの程度改善されたか。髪全体のボリュームや、一本一本の髪のハリやコシはどうか。これらの変化を、可能であれば治療開始時の写真と比較しながら客観的に評価します。医師によるマイクロスコープでの頭皮チェックなども、毛髪密度や太さの変化を把握するのに役立ちます。次に、これらの変化を踏まえ、現在の状態に対する満足度を確認します。目標としていた状態に近づけたか、あるいはまだ改善の余地があると感じるか。この満足度が、今後の治療計画を左右する重要な要素となります。もし、2年間の治療で十分な効果が得られ、現在の状態に満足しているのであれば、今後の治療計画としては「現状維持」を目指すことが基本となります。AGAは進行性のため、治療をやめれば元に戻ってしまう可能性が高いからです。医師と相談の上、現在の治療法を継続するか、あるいは副作用のリスクや経済的な負担を考慮して、治療の強度を調整するといった選択肢を検討します。一方、2年間の治療でも期待したほどの効果が得られなかったり、さらなる改善を望んだりする場合は、治療法の見直しやステップアップを検討する必要があります。薬物療法の種類や組み合わせを変更する、注入治療を追加する、あるいは進行度によっては自毛植毛を視野に入れるなど、より積極的なアプローチが考えられます。この場合も、それぞれの治療法のメリット・デメリット、費用、リスクなどを医師から十分に説明してもらい、慎重に判断することが重要です。また、2年間の治療で副作用の経験があったかどうかも、今後の治療計画に影響します。もし副作用に悩まされた経験があれば、薬剤の変更や、副作用の少ない治療法への切り替えを検討する必要があるでしょう。