AGA治療2年目からのステップアップ

AGA(男性型脱毛症)治療を開始して2年が経過し、内服薬や外用薬による基本的な治療である程度の効果を実感しているものの、「もう少し改善したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、2年目からの「ステップアップ」として、新たな治療法を検討するのも一つの選択肢です。薬物療法で得られる効果には限界があることも事実であり、現状維持以上の結果を求めるのであれば、より進んだ治療アプローチが必要になることがあります。ステップアップとしてまず考えられるのは、注入治療の導入または強化です。既に薬物療法と並行して注入治療を行っている場合は、その頻度や使用する薬剤の内容を見直すことで、さらなる効果が期待できるかもしれません。まだ注入治療を試していない場合は、薬物療法の効果を底上げする目的で新たに開始することを検討できます。注入治療は、発毛に必要な成長因子やミノキシジルなどを頭皮に直接注入するため、薬剤の浸透効率が高く、よりダイレクトに毛母細胞に働きかけることができます。特に、薬物療法だけでは改善が頭打ちになっていると感じる場合に有効な手段となり得ます。次に、自毛植毛も大きなステップアップの一つです。2年間の薬物療法で生え際の後退や頭頂部の広範囲な薄毛が十分に改善されなかった場合、あるいはより確実な見た目の変化を求める場合に検討されます。自毛植は、AGAの影響を受けにくい後頭部などの自身の毛髪を、毛包ごと薄くなった部分に移植する外科手術です。移植された毛髪は生着すれば永続的に成長を続けるため、根本的な薄毛解決に繋がる可能性があります。ただし、外科手術であるためダウンタイムがあり、費用も非常に高額になる点を十分に理解しておく必要があります。また、低出力レーザー治療(LLLT)といった、比較的新しい治療法を補助的に取り入れることも考えられます。これは、特定の波長のレーザーを頭皮に照射することで血行を促進し、毛母細胞を活性化させるものです。自宅で使用できる機器もありますが、クリニックで専門的な機器を用いた治療を受ける方がより効果的とされています。AGA治療2年目からのステップアップを検討する際には、まず現在の治療効果と自身の希望を医師に正確に伝え、どのような選択肢があり、それぞれにどのようなメリット・デメリット、リスクがあるのかを十分に説明してもらうことが不可欠です。