近年、AGA（男性型脱毛症）の治療法として、オンライン診療（遠隔診療）を選択する方が増えています。時間や場所を選ばずに受診できる手軽さや、比較的安価な費用設定が魅力ですが、その流れや注意点について理解しておくことが重要です。オンラインAGA治療の一般的な流れは、まず、オンライン診療を提供しているクリニックのウェブサイトやアプリから予約を行います。多くの場合、事前に問診票の入力や、頭部の写真（正面、側面、頭頂部など）の提出が求められます。予約日時になると、スマートフォンやパソコンのビデオ通話機能を使って、医師によるオンライン診察が始まります。医師は、事前に提出された問診票や写真、そしてビデオ通話での問診や視診を通じて、患者さんの状態を把握し、AGAの診断を行います。診断の結果、AGA治療が適切であると判断されれば、治療薬（主に内服薬や外用薬）について説明があり、処方が行われます。治療薬は、後日自宅に郵送されるか、提携薬局で受け取る形になります。これがオンラインAGA治療の基本的な流れです。オンライン治療のメリットとしては、通院の手間や交通費がかからないこと、待ち時間が少ないこと、自宅でリラックスして診察を受けられることなどが挙げられます。また、クリニックの運営コストが抑えられるため、治療費が比較的安価に設定されている場合が多いのも特徴です。一方で、注意点もあります。まず、直接的な触診ができないため、頭皮の状態を詳細に把握することが難しい場合があります。また、対面診療に比べて、医師とのコミュニケーションが希薄になる可能性も否定できません。副作用が出た場合の対応や、治療効果のきめ細やかなフォローアップが、対面診療ほど迅速かつ十分に行えないケースも考えられます。さらに、オンライン診療で処方される薬剤が、国内で承認されている正規の医薬品であるか、品質管理が適切に行われているかなどを確認することも重要です。安さや手軽さだけに目を向けるのではなく、信頼できるクリニックを選び、メリットとデメリットを理解した上で、オンライン治療を検討するようにしましょう。