鏡の前で前髪を上げてみたとき、「あれ、おでこが広くなったかな?」と不安を感じたことはありませんか。生え際の後退、いわゆるM字ハゲの進行は、自分では毎日見ている顔であるがゆえに、変化に気づきにくいという厄介な特徴があります。「気のせいだろう」「昔からおでこは広かったはずだ」というバイアスがかかり、認めたくない心理も働いて、対策が遅れてしまうケースが後を絶ちません。しかし、生え際はAGA(男性型脱毛症)の影響を最も受けやすい部位の一つであり、一度後退してしまうと回復させるのが非常に難しい場所でもあります。だからこそ、客観的かつ冷静なチェックが必要不可欠なのです。生え際の後退を見極めるための最も確実な方法は、過去の自分との比較です。三年前、五年前の免許証やパスポートの写真、あるいはスナップ写真などを引っ張り出し、現在のおでこの広さと比べてみてください。もし、明らかに生え際のラインが上がっていたり、剃り込み部分の角度が鋭くなっていたりする場合は、進行している可能性が高いでしょう。また、具体的な数値で測る方法もあります。眉毛の上端から生え際までの長さを指のふ本数で測ってみてください。以前は指三本分だったのが、四本分入るようになっているなら、それは物理的に後退している証拠です。指の太さは変わりませんので、シンプルですが信頼性の高い指標となります。視覚的な変化だけでなく、生え際の髪の「質感」の変化にも注意を払ってください。後退が始まる前兆として、生え際の髪が細く柔らかくなり、産毛化していく現象が見られます。お風呂上がりに鏡を見たとき、生え際の地肌が透けて見えやすくなっていたり、セットをしたときに前髪が割れやすくなっていたりしませんか。また、生え際の皮膚の状態も重要です。健康な頭皮は青白い色をしていますが、もし生え際が赤っぽくなっていたり、茶色っぽく変色していたりする場合は、炎症や血行不良が起きているサインです。さらに、生え際の皮膚が周囲の顔の皮膚と同じようにツルツルとしてきて、毛穴が見えなくなってきているなら、それは毛根が消失し皮膚化している危険な兆候かもしれません。M字型の薄毛は、男性ホルモンの影響をダイレクトに受けるため、進行スピードが速いことも特徴です。