薄毛対策通信

私の朝は、ため息から始まらない。鏡の前に立ち、自分の髪を見るのが楽しみになった。こんな日が来るなんて、数年前までは想像もできませんでした。以前の私は、細くてボリュームのない髪にずっと悩んでいて、どうにか隠そうと必死でした。でも、思い切ってボブにしてから、私の毎日は一変したのです。何より変わったのは、朝のスタイリング時間です。ロングヘアの頃は、トップをふんわりさせるためにカーラーを巻き、スプレーで固めても、会社に着く頃にはぺたんこ、なんてことが日常茶飯事でした。でも、今の私の髪型は、トップにレイヤーが入った軽やかなボブ。夜、髪を乾かす時に、根元を立ち上げるように下からドライヤーを当てるだけで、翌朝には自然なふんわり感が生まれています。朝は、軽くブラシで整えて、少量のソフトワックスを毛先にもみ込むだけ。たった5分で、一日中崩れないスタイルが完成するのです。風が強い日も、以前のように神経質になることはありません。むしろ、風にふわりと揺れる髪が、軽やかで素敵に見える気さえします。分け目も、きっちり決めるのではなく、指でジグザグっとラフに分けるだけで、地肌が目立たず、こなれた雰囲気に。この「頑張りすぎない」感じが、気持ちにも余裕を持たせてくれています。使っているスタイリング剤は、べたつかないファイバーワックスと、キープ力のある軽いスプレーだけ。たくさんつけなくてもスタイルが決まるので、髪への負担も少ない気がします。友人からは「なんだか最近、雰囲気が明るくなったね」と言われることが増えました。髪型を変えただけなのに、ファッションやメイクにも前向きになり、新しい服に挑戦するようにもなりました。薄毛というコンプレックスが解消されただけでなく、ボブヘアは私に新しい楽しみと自信を運んできてくれた、かけがえのないパートナーです。

まだ髪の毛はフサフサだし、薄毛なんて自分には関係ない。特に20代、30代前半の方はそう思っているかもしれません。しかし、現在の何気ない生活習慣が、10年後、20年後のあなたの髪の状態を大きく左右する可能性があることを知っておくべきです。中でも、飲酒習慣は将来の薄毛リスクに直結する重要な要素の一つです。若い頃は肝臓の機能も活発で、多少の無理も効くため、アルコールの悪影響を実感しにくいかもしれません。しかし、連日のように飲み会に参加したり、休日に昼間からお酒を飲んだりする生活を続けていると、体は確実にダメージを蓄積していきます。アルコールを分解する過程で、髪の成長に必須のビタミン、ミネラル、アミノ酸が常に消費され続ける状態は、いわば髪の栄養を前借りしているようなものです。今はまだ体の貯金で賄えていても、その貯金は年齢と共に確実に目減りしていきます。加齢によって代謝が落ち、肝機能も低下してきた30代後半から40代にかけて、突如として薄毛が進行し始める人の多くは、若い頃からの飲酒習慣がその下地を作っているケースが少なくありません。将来の薄毛を予防するために、今からできることは何でしょうか。それは、お酒との「健康的な距離感」を確立することです。まず、飲むのが当たり前という意識を改め、特別な機会に楽しむもの、という位置づけに変えてみましょう。週に最低でも2〜3日の休肝日を設け、肝臓をしっかりと休ませる習慣をつけることが基本です。また、飲む際には量を決め、「今日はビール2杯まで」といった自分なりのルールを設けることが有効です。お酒を飲む目的が、単なるストレス解消や手持ち無沙汰の解消になっているのであれば、スポーツや趣味など、他の健全な方法を見つける努力も必要です。若い頃からお酒と上手に付き合うスキルを身につけておくことは、将来の髪を守るための、最も効果的な自己投資と言えるでしょう。

毎晩の晩酌がやめられない。ストレス解消にはこれしかない。そう思い込んでいた私にとって、お酒は生活に深く根付いたパートナーのような存在でした。しかし、そのパートナーシップには代償が伴っていました。年々薄くなる髪、増えていく抜け毛。鏡を見るたびにため息をつき、どうにかしなければと思いつつも、夜になればまた缶のプルタブを開けてしまう。そんな悪循環を断ち切るきっかけは、ある日ふと感じた強烈な自己嫌悪でした。このままじゃダメだ。そう決意し、私は「減酒」から始めることにしました。まずは週に二日の休肝日を設定。最初のうちは手持ち無沙汰で落ち着きませんでしたが、代わりにハーブティーを飲んだり、読書に集中したりするうちに、少しずつ慣れていきました。驚いたのは、お酒を飲まない夜の時間の長さです。今まで酔ってぼんやり過ごしていた時間が、まるまる自分のために使える。映画を一本観たり、資格の勉強をしたり、有意義に過ごせることに気づきました。そして、朝の目覚めが劇的に変わりました。頭がすっきりして、体も軽い。日中の仕事の効率も上がったように感じます。減酒が軌道に乗ってくると、不思議とお酒に対する執着心も薄れていきました。そして、始めてから半年ほど経った頃、美容師さんから「髪、しっかりしてきましたね」と言われたのです。自分でも感じていました。抜け毛が減り、髪にハリとコシが戻ってきたことを。薄毛対策として始めた減酒でしたが、得られたものはそれだけではありませんでした。浮いたお酒代でちょっと良いレストランに行ったり、趣味にお金を使えたり。何より、アルコールにコントロールされるのではなく、自分で自分の時間をコントロールできているという感覚が、大きな自信につながりました。髪が豊かになっただけでなく、心も、そして生活全体が豊かになった。今では、たまの付き合いで嗜む一杯のお酒を、心から美味しく感じられるようになりました。お酒との距離感を見直すことは、髪にとっても、人生にとっても、素晴らしい転機になるかもしれません。