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専門家が語る飲酒と薄毛の深刻な関係
今回は、毛髪診断士として長年多くの方の頭皮と髪の悩みに向き合ってこられた山本先生にお話を伺います。先生、やはり飲酒と薄毛には深い関係があるのでしょうか。山本先生「はい、非常に関係が深いと言わざるを得ません。ご相談に来られる方々の生活習慣をヒアリングすると、飲酒頻度が高い、あるいは一度に飲む量が多いというケースが非常に多く見られます。特に男性のAGA(男性型脱毛症)の進行を早める一因になっていることは間違いありません」。具体的には、どのような影響があるのでしょうか。山本先生「影響は多岐にわたりますが、私が特に問題視しているのは三つです。一つ目は『栄養不足』。アルコールの分解のために、髪の生成に必要なビタミンB群や亜鉛、アミノ酸が大量に消費されてしまいます。髪は体にとって生命維持の優先順位が低いため、栄養が不足すると真っ先に影響が出る部分なのです。二つ目は『血行不良』。適量なら血行促進と言われますが、それは一時的なもの。過度な飲酒は、分解産物であるアセトアルデヒドが血管にダメージを与えたり、睡眠の質を低下させて自律神経を乱したりすることで、結果的に頭皮への血流を悪化させます。三つ目は『肝機能の低下』です。肝臓は栄養の貯蔵庫であり、タンパク質の合成工場でもあります。その肝臓がアルコールの処理で疲弊してしまうと、髪を作るための機能が根本から損なわれてしまうのです」。何か対策はあるのでしょうか。山本先生「もちろん、最も効果的なのは禁酒です。しかし、それが難しい場合は、まず休肝日を週に2日以上設けること。そして、お酒を飲む際は、髪の栄養となるタンパク質やビタミン、ミネラルが豊富なおつまみ、例えば豆腐や枝豆、レバー、ナッツ類などを一緒に摂ることを強く推奨します。また、飲んだ後には必ず水分をしっかり補給してください。ただ、これらはあくまでダメージを軽減するための策です。もし本気で薄毛を改善したいのであれば、飲酒習慣そのものを見直すという根本的な覚悟が必要になるでしょう」。
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カリスマ美容師が語る似合わせボブの秘訣
今回は、数多くの女性の髪の悩みを解決し、予約の取れない人気美容師として知られるSATOUさんにお話を伺います。薄毛に悩むお客様にボブを提案されることも多いそうですね。SATOUさん「はい、ボブは薄毛をカバーする上で非常に有効なスタイルです。ただ、私たちは単に『隠す』ためだけのカットはしません。その方の魅力を最大限に引き出し、結果としてコンプレックスが気にならなくなるような『似合わせボ涜を提案することを常に心がけています」。似合わせる上で、最も重視する点は何でしょうか。SATOUさん「カウンセリングでの対話です。お客様が気にされている『分け目』や『つむじ』といった具体的な悩みはもちろんですが、その方の普段のファッション、お好きな雰囲気、ライフスタイルまで、じっくりお話を伺います。例えば、アクティブでカジュアルな服装が多い方には、少し動きのある軽やかなレイヤーボブを。エレガントで上品な雰囲気がお好きなら、まとまりのあるグラデーションボブを、といった具合に、その方のパーソナリティに寄り添ったスタイルを考えます」。カットの技術的なポイントはありますか。SATOUさん「技術的には『骨格補正』と『質感調整』が鍵になります。日本人の多くは後頭部が平らな、いわゆる絶壁の方が多いのですが、襟足の長さを調整し、後頭部に丸みが出るようにカットすることで、トップに自然な高さとボリュームが生まれます。これが骨格補正です。また、ただ短くするだけでは重い印象になりがちなので、毛量調整、いわゆるセニングが重要になります。ただし、根元からすきすぎると短い毛が立ち上がってしまい、かえってまとまりが悪くなるので、髪の内部に空間を作るようなイメージで、丁寧に入れていくのがプロの技です。髪は動いた時に最も美しく見えるべきなので、360度どこから見ても綺麗なシルエットになるよう、計算し尽くしています。髪型一つで、人は驚くほど自信を持てるようになります。その輝く瞬間のお手伝いができるのが、この仕事の最大の喜びですね」。
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美容師さんへ上手に伝えるボブの注文方法
薄毛をカバーしたいという思いでボブに挑戦するなら、美容師さんとの最初のカウンセリングが成功の九割を占めると言っても過言ではありません。しかし、「薄毛が気になるので、いい感じにしてください」というような曖昧な伝え方では、理想のスタイルにたどり着くのは難しいでしょう。大切なのは、自分の悩みを具体的かつ正確に伝え、美容師さんとイメージを共有することです。まず、予約の段階で「髪のボリュームについて相談したい」と一言伝えておくと、カウンセリングに時間をかけてくれる美容室が多いです。そして当日、席に着いたら、まずは自分の髪のどこが一番気になっているのかを正直に話しましょう。「頭頂部がぺたんこに見える」「分け目がくっきりついてしまう」「つむじが割れて地肌が見えやすい」など、具体的な言葉で伝えることが重要です。次に、理想のスタイルについてです。ヘアカタログやスマートフォンの画像を見せるのが最も効果的ですが、その際、ただ「この髪型にしたい」と言うだけでは不十分です。そのスタイルの「どこ」が気に入ったのかを付け加えましょう。「この写真のようなトップのふんわり感が欲しい」「このモデルさんのように、分け目をジグザグにぼかしたい」といったように、具体的なポイントを指し示すことで、美容師さんはあなたの要望をより深く理解できます。また、「こんな失敗は避けたい」というネガティブな情報を伝えるのも有効です。「以前、すかれすぎて毛先がスカスカになってしまった」「重すぎるボブにしたら、かえってトップが潰れてしまった」などの経験を話せば、同じ失敗を繰り返さないように配慮してくれます。最後に、普段のスタイリング方法や、どれくらい手間をかけられるかを伝えることも忘れてはいけません。これらの情報を総合して、プロである美容師さんは、あなたの髪質、骨格、ライフスタイルに合った、最高のカバーボブを提案してくれるはずです。