私が円形脱毛症を発症したのは、大学4年の時でした。その頃は就職活動真っ只中で、毎日のようにセミナーへ参加したり就職試験を受けたりと多忙な日々を送っていました。

 

なかなか内定がでない焦りと、世間体ばかり気にする両親からの小言に私はストレスがたまっていました。
夏頃から抜け毛が急に増え始め、最初は気にしていなかったのですが、あまりに抜けるのでだんだん恐ろしくなりました。特に入浴の際に排水溝が抜け毛で詰まってしまうほどで、これは普通ではないと思いました。

 

そこからあれよあれよという間に髪が抜け落ち、3カ月ほどでほほすべての髪がなくなりました。両親もさすがに驚き、皮膚科を受診するよう言われました。
皮膚科では全頭型の脱毛症による抜け毛で治療をしても完治は難しいとのことでした。私は絶望の縁に立たされ、何もかもが嫌になりました。大学へはウィッグをかぶって行きましたが、就職活動は断念しました。

 

ただ両親の私への接し方が変わっていったのが私には救いでした。特に母は髪に良いものを調べたり、有名な医師のいる病院をさがしてくれました。
全頭型になって半年が過ぎた辺りから産毛が大量に生えました。医師からも良い傾向だと言われ、希望の光が見えてきました。その時は病院で紫外線治療をしていました。さらに亜鉛をしっかり摂取したり、睡眠の質もあげました。

 

その効果が報われたのか、ただ運が良かったのかわかりませんが、発症して一年で髪はもとに戻りました。
円形脱毛症は再発しやすいと言われていますが、10年近く経った今も再発していません。今後も生活習慣には気をつけていきたいと思います。